3病棟(療養介護)
3病棟では、長期に療養される患者さんが生活されており、病院ではありながら、病棟へ一歩入ると、廊下には桜や紫陽花などの飾りつけで、季節を感じる雰囲気が感じられると思います。
3病棟では、長期に療養される患者さんが生活されており、病院ではありながら、病棟へ一歩入ると、廊下には桜や紫陽花などの飾りつけで、季節を感じる雰囲気が感じられると思います。入浴のために、週に2回、浴室へストレッチャーで移動する患者さんが、寝たまま通り抜ける廊下やホールには、空を見上げたような青空が目に入るよう、また、窓から見える景色が、生活の中に少しでも楽しみができるよう、スタッフ一同創意工夫に取り組んでおります。
さて、当病棟では平成30年7月より障害福祉サービスの療養介護を行っており、平成31年4月からは医療型障害児入所施設、医療型短期入所も行っております。
療養介護では、「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」や「多系統萎縮症(MSA)」「筋ジストロフィー」などの神経筋難病で、気管切開を伴い人工呼吸器による呼吸管理が必要な方を中心に、長期療養される患者さんが入所されております。
神経筋難病患者さんの多くは、それぞれの人生を歩んでおられる時に、突然の病気の告知や症状の進行を体験され、患者さんだけでなく、そのご家族にとっても、とても長い闘病生活を送ってこられています。入院に至るまでも、気管切開や人工呼吸器による呼吸管理も含めて、在宅でできるだけ生活が送れるように、ご家族とともに過ごされてきた方が多くおられます。私たちは、そのような患者さんだけでなく、ご家族も含めて、これからの人生を共に支えられるよう取り組んで参ります。特に、療養介護では、今までの生活の中で大切にされてきたことが、何らかの形で続けていけるよう支援させていただきます。例えば、毎日新聞を読むことを楽しみにされておられたのであれば、代わりに読んで差し上げること。また、春や秋の過ごしやすい季節には、お花見にリクライニング車いすで出かけることなど。コロナ禍の今は難しいですが、人工呼吸器での呼吸管理をしながらの外出支援も行っています。
その他、透明文字盤を使ってのコミュニケーションは、言葉を話すのとは違って時間を要しますが、患者さんが伝えてくれる、一文字、一文字を、丁寧に読み取り、意思疎通を図ることそのものも、看護であると思っております。このように、一人ひとりの患者さんの生活を、看護師や療養介助員、看護助手が協力しながらサポートさせて頂きます。
また、医療型障害児入所施設では、昨年度1名の利用者さんを初めて受け入れました。養護学校の高等部に在籍する利用者さんで、高校卒業までの約1年間は、香川県教育委員会のご協力があり、病室で訪問教育を受けることになりました。ご存じのように、昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大も影響し、休校になることもありましたが、養護学校関係者をはじめ、多くの方々のご協力があり、学校生活最後の卒業式は、院内で挙行することができました。私たちも、初めてのことでしたが、これらの経験を通して、医療的ケアが必要な障害児やそのご家族が、安心して療養できる場所として選んで頂けるよう、療育指導室とも協力しながら、さらに尽力して参ります。
本来なら、病室にはいつもご家族がご一緒に過ごされることが多かったのですが、長い新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、面会はリモートとなっております。患者さんにとっても、ご家族にとっても、本当に辛く寂しい思いをさせてしまっていることに、胸が痛みます。いつかこの状況が変わった時には、以前のように、ボランティアによるクリスマス聖歌隊などを迎えて、「今日はよかった。」と思える時間を、そして、「生きていてよかった。」と思っていただけるように、日々、取り組んで参ります。