リハビリテーション科
施設基準
- 脳血管疾患等リハビリテーションII
- 運動器疾患リハビリテーションI
- 呼吸器疾患リハビリテーションI
- 廃用症候群リハビリテーションII
スタッフ
- 医師1名
- 理学療法士5名
- 作業療法士2名
- 言語聴覚士2名
理学療法
身体機能の向上や退院支援をサポートします
理学療法部門では難病(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多系統萎縮症など)・呼吸器疾患(COPD・間質性肺炎・結核など)・整形疾患の術後の患者さんなどを対象として、リハビリテーションを実施しています。
神経筋疾患
香川県の難病診療分野別拠点病院(神経筋疾患分野)として、呼吸機能の低下した難病患者さんに対して、胸郭・肺の柔軟性を保つためにLIC trainerを使用したり、排痰補助装置を使用して、痰の排出を促したり、無気肺を予防するなど、専門的な呼吸リハビリテーションを行なっています。また、パーキンソン病患者さんのリハビリテーションに特化したLSVT®BIGの資格を取得し、身体機能の向上を目的としたブラッシュアップ入院(パーキンソン病の短期集中リハビリテーション入院)を実施しています。
(LIC trainer)
(排痰補助装置)
(ブラッシュアップ入院)
呼吸器疾患
呼吸リハビリテーションは、痰の喀出を補助したり、息切れを緩和し運動耐容能を高めるために運動療法を行います。また、慢性呼吸不全の患者さんなどに対し、在宅酸素療法の導入を目的として6分間歩行テストを実施し、主治医と相談して酸素量を検討していきます。
退院支援
整形疾患術後の患者さんや、身体機能の低下した患者さんに対してリハビリテーションを提供します。自宅の環境や在宅サービスの調整を多職種と連携して行い、在宅復帰に向けてサポートします。必要に応じて退院時前訪問も実施し、患者さんが安心安全に在宅生活を送れるように支援していきます。
- 神経筋障害認定理学療法士(1名)
- LSVT🄬BIG認定療法士(4名)
- コアコンディショニング協会認定マスタートレーナー(1名)
(2022年12月現在)
作業療法
作業療法部門では、筋萎縮性側索硬化症をはじめとする神経筋疾患(多系統萎縮症、パーキンソン病、筋ジストロフイー等)を対象としたリハビリテーション(環境調整、特殊スイッチや意思伝達装置等のコミュニケーション手段の支援など)を行なっています。
また、整形疾患や脳血管障害では、手の機能回復や日常生活動作訓練を実施しています。
対象患者さんとかかわる病期は、発症直後・進行期・慢性期と様々ですが、病状の進行に応じて、患者さん・ご家族さんが、「自分らしい生活」を過ごせることを大切にしながら、支援していきます。
また長期療養だけでなく、短期入院による在宅生活へのサポートも、多職種と連携して行なっています。
環境調整
疾患の発症や進行に伴い、今まで出来ていた身の回り動作が難しくなる場合があります。
その時は、動作方法の変更を提案し指導したり、必要となる様々な福祉用具や自助具を紹介します。
また、実際に患者さんのご自宅を訪問して、病状の進行をふまえた上での住宅改修案を提案させていただくこともあります。
自助具(PSB)を使ってパソコンをしている様子
AT2ED project http://at2ed.jp より引用
特殊スイッチや意思伝達装置等のコミュ二ケーション手段の支援
今まで出来ていた会話などのコミュニケーション手段が難しくなってきた場合、ナースコールや呼び鈴などを操作できるよう、病状に応じた特殊スイッチの紹介や操作方法の指導を行ないます。
また様々な意思伝達装置(伝の心、miyasuku EyeConSW、Orihime eye+Switch等)の紹介や操作方法の指導とともに、業者や地域スタッフと連携して導入のサポートを行なっています。
特殊スイッチ
意思伝達装置を練習している様子
言語聴覚療法
飲み込みの障害のある方をサポートします
対象疾患
神経筋疾患(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等)、呼吸器疾患(誤嚥性肺炎等)、廃用症候群を主な治療対象としています。
発声・構音訓練
脳や神経、筋肉の病気によって声帯や口の動きに制限が出て、声が小さくなったり発音が不明瞭になる場合があります。発語を取り戻すための集中的な機能回復トレーニングや、聞き手に伝わりやすい話し方テクニック(発話速度の調整法等)の指導を行ないます。発声での意思疎通が難しい場合は50音表やタブレット活用など残存機能に応じた代替手段を提案します。
LSVT®LOUD
LSVT®LOUDとはパーキンソン病に特化した大きな声を出すためのトレーニングです。パーキンソン病の方は声が小さくなりやすいため、この訓練によって日常会話の明瞭度の改善を目指します。当院では言語聴覚士2名が認定を取得しています。
発話速度の調整訓練
大きな声を出す練習
失語症訓練
失語症とは脳血管疾患等によって大脳の言語中枢が損傷することで起こる言語障害で、相手の言葉が理解できない、言葉が思い出せない、自分の意図と異なる言葉が出てしまう、文字が読めない・書けない、など言語機能すべてに症状が現れます。症状に合わせた訓練を行なうとともに、ご家族等関わり手に対してより円滑にコミュニケーションをとるための指導も積極的に行なっています。
高次脳機能訓練
コミュニケーション障害の背景には「記憶」「思考」「判断」などの高次脳機能が障害されている場合があります。症状の現れ方は様々で理解されづらい障害ですが、複数の検査を組み合わせて問題点を解明し個々のプログラムを立案します。
嚥下訓練
嚥下障害に対しては平成11年より嚥下造影検査を導入し評価と訓練の実績を積んでいます。検査には日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の神経内科医と言語聴覚士、また看護師・管理栄養士・放射線技師が立ち会い、その場で意見交換しながら細かく評価します。その結果をもとに言語聴覚士は嚥下訓練や姿勢調整、食べ方の指導などを行ないます。
その他の活動
- 「香川県摂食嚥下障害研究会」「四国摂食嚥下研究会」には事務局としての役割を担い、また言語聴覚士 の職能活動にも積極的に参加しています。
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士(1名)
- RSVT®LOUD認定療法士(2名)