呼吸器内科
担当医師
氏名 | 専門分野 | 所属学会・資格等 |
---|---|---|
副院長 東條泰典 |
呼吸器内科一般/結核・抗酸菌感染症 | 日本内科学会総合内科専門医/日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医/日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医/日本結核病学会結核・抗酸菌症指導医/インフェクションコントロールドクター/日本医師会認定産業医 |
診療部長 田所明 |
呼吸器内科一般/結核・抗酸菌感染症 | 日本呼吸器学会呼吸器専門医/日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医/日本内科学会総合内科専門医/日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医 |
シニア医師 二見仁康 |
呼吸器内科一般/結核・抗酸菌感染症 | 日本内科学会/日本呼吸器学会/日本呼吸器内視鏡学会/日本肺癌学会/日本癌学会/米国癌学会(AACR)/米国臨床腫瘍学会(ASCO) |
呼吸器内科の概要
呼吸器内科は、東條泰典、田所明、二見仁康の3名で診療しており、その診療内容は政策医療としての結核診療と、呼吸不全、肺感染症、慢性閉塞性肺疾患、びまん性肺疾患、肺癌などを中心とした一般呼吸器診療の2本柱で行っています。一般呼吸器疾患は第1・2病棟で入院加療しており、結核は第2病棟にユニット化された陰圧病床で入院加療しています。
結核診療
結核は徐々に減少傾向にあるとはいえ、我が国で最大級の感染症であることは変わりありません。結核病床を持つ病院が県内に少ないこともあり、当院は香川県の最終拠点病院としての役割を担っており、呼吸器内科医師2名が日本結核・非結核性抗酸菌症学会指導医の資格を有しています。そのため県内全域から患者さん紹介、相談があります。結核診療は診断法の進化や新薬の登場、多剤耐性結核の問題、外国人の結核など新しい話題が出てきており、まさに古くて新しい疾病といえましょう。また、患者さんの高齢化が進んでおり様々な合併症に悩まされることも少なくありません。そのような中、患者さんの診断、治療はもちろんのこと、看護師主導によるDOTS(directly observed treatment short-course)*1、薬剤師による薬剤指導、栄養士による栄養指導、保健所との連携や月1回の保健師を交えたカンファレンスなどチーム医療で対処しています。結核ユニット病床内に1床の独立換気システムを備えた病床があり、多剤耐性結核に対しても対応可能です。また、近年の結核患者の減少から、結核ユニット内を12床の常設病床と8床のモデル病床に改装しました。これにより結核患者の入院数によりフレキシブルに病床の増減を行うことができるようになっています。
- *1:1995年にWHOにより提唱された、DOT(直接服薬確認療法)を主軸とする包括的な結核対策のこと
非結核性抗酸菌症診療
非結核性抗酸菌症は結核と相反して近年増加傾向にあります。これは高齢者の増加、糖尿病など免疫力の低下した患者さんの増加、健診発見例の増加が原因と考えられています。症状や画像は結核と類似することがありますが、結核とは治療方針が異なること、感染対策上も結核との確実な鑑別が必要です。当院では喀痰検査、気管支鏡検査などを駆使して、非結核性抗酸菌症の正確な診断を行っています。治療は同定した菌種と菌量、画像上の進行度などを勘案して適切なタイミングで行っています。難治性肺MAC症に対して、最近国内承認された吸入アミカシン製剤に対しても、入院での導入やフォローアップを行っております。
排菌のある結核患者さんはもちろんのこと、結核が疑われる患者さん、判断に迷う患者さん、非結核性抗酸菌症患者の患者さんなど、当院地域連携室にご連絡いただければ、迅速に対応いたします。お気軽にご相談ください。
一般呼吸器疾患診療
呼吸器一般診療に関しては、肺炎を中心とした感染症やびまん性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、肺がんなど呼吸器疾患全般に関する診療を行っており、呼吸器内科には日本呼吸器学会呼吸器専門医2名、指導医1名が在籍しています。昨今の医療情勢の変化により当院の入院病床が障害病床主体となったことから、呼吸器疾患の急性期治療後の受け入れや慢性疾患のコントロールなど、人工呼吸器管理や非侵襲的陽圧換気療法、酸素療法を駆使しつつ中長期のフォローアップを行う患者の受け入れも増加しています。さらに呼吸器疾患の終末期医療に関しても積極的に取り組んでいます。呼吸リハビリテーションに関しては、慢性閉塞性肺疾患や慢性呼吸不全の患者を中心に呼吸法や排痰法の指導、移動能力の向上訓練などを行っています。これら呼吸器疾患の診療はCTや気管支鏡などの医療機器や看護科、栄養科、リハビリテーション科、臨床工学技士、ソーシャルワーカーなどとチーム医療で対処しています。
呼吸器内科外来は週4日行っており、一般的な診療の他に睡眠時無呼吸症候群に対する持続陽圧換気療法や慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法、在宅非侵襲的陽圧換気療法を多く手掛けています。
以上、当院呼吸器内科での診療内容を簡単にご紹介させていただきました。上記以外にも呼吸器内科疾患全般に対応しておりますので、当院地域連携室へご相談ください。
気管支鏡検査紹介
気管支鏡検査の概要
当科では肺癌やびまん性肺疾患、肺感染症(抗酸菌を含む)などの診断目的に気管支鏡検査を行っています。呼吸器内科医師2名が日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医の資格を有しています。当院での気管支鏡検査は年間50例程度であり、その内容は観察、吸痰、気管支肺胞洗浄(BAL)、経気管支肺生検(TBLB)、肺抹消病変を中心としてガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を用いた気管支擦過細胞診、経気管支生検(TBB)などを行っております。なお、検査は基本的に1泊2日のクリニカルパス入院で行っております。